RAL(品質保証制度)について

1.RALとは

RAL規格はドイツにおける商品取引において、品質保証・商品マーク・表示制度を中立的に統一する目的で、経済団体や政府機関が参加して制定された規格
「RAL」の起源は「Reichs-Ausschus fur Lieferbedingungen」、直訳すれば「取引条件についてのドイツ国の委員会」
『取引・納入条件についてのドイツ委員会』として1925年3月24日ベルリンでドイツ経済省が設立
「納入条件」は、単なる言葉と文章からなる条件ではなく、「高度な品質の技術」に裏付けられた「合理的・標準化された条件」

1.RALの業務と適用業種

「RAL」の業務は、

  1. 「品質の定義」を示すこと。取引納入において明確に信頼できる「概念」を示す。
  2. 「商品」や「サービス」の品質を、消費者の利益になる「信頼できる数値指標」で示すこと。

約150種類の産業界の取引において、品質保証・検査規定・表示マーク規定が定められ、表示マークは特許庁審査を経て登録

(ドア、壁紙、窓枠、バスタブなど多岐に亘る)

3-1.ドイツにおけるリネンサプライ業とRAL(1)

約350社(業界売上の70%をカバー)がRALの資格取得
会社及び品質の信頼の証として通用

大手ホテル、レストラン、食品工場、病院、公共施設との取引条件で、取得していないと取引できない(ISO9001、ISO14001を取得している会社は少数)
ISOと異なり、絶対的数値基準が存在し、明確に品質の水準を保証する

(ISOは一定品質の「品質を管理」するシステムに関する規格で、この規格自体が「高品質」を保証するものではない)

3-2.ドイツにおけるリネンサプライ業とRAL(2)

公益法人「ドイツ品質管理委員会」が所轄する「適切なリネンの取扱による品質保証規則:RAL-GZ992」に基づきリネンの品質保証項目を既定

4.主な試験内容

「RAL」の業務は、

  1. 洗濯工程の試験(強度、白度、灰分)
  2. 衛生度試験(細菌付着有無)
  3. 工場監査(リストに基づく運転管理、清潔、メンテ等チェック)

5.RAL-GZ992/1 一般衣料とリネン

ホーヘンシュタイン研究所から送られてくる標準試験布(DIN53919-1)を生産ラインで、繰り返し洗浄(25回、50回)して、下記検査を受け、各項目の数値基準にすべて合格すること。

  1. 洗濯工程の試験(強度、白度、灰分)
  2. 衛生度試験(細菌付着有無)
  3. 工場監査(リストに基づく運転管理、清潔、メンテ等チェック)
    • 目視比較白度
    • 色差値白度(赤・緑方向)
    • 基本白度(反射率)

<試験項目の定義(1)>

●湿潤引張強度低下率
強度低下の比較数値は、DIN53919第一章による、3回洗いの予洗状態とサイクル洗い後の標準試験布の最大引張湿潤強度で計算する。
この低下率は、25回洗いで15%、50回洗いで30%を超えないこと。

<試験項目の定義(2)>

洗濯工程の結果生ずる色の変化は、次の3項目で表す。
1.白度(DW値)
 白度は、人間の眼で知覚したリネンの白さで表す。
 数値は50回洗いで、170を下回らないこと。データは整数表示。
2.色差(CDN)
 この数値は、白色標準の中立白色から、色つき度合いの偏差(CD)で表示する。
 CDN値は、50回洗い後、赤紫方向でR1.5以内、青緑方向でG2.49を超えないこと。
3.基本白色度(Y値)
 この数値は、リネンから光沢を無くし、また光源から紫外線をフィルタで取り去った後の白色度で、50回洗い後、85以下にならないこと。

6.RAL品質マークの授与と管理義務

合格すると、品質保証協会からRALマーク交付
RALマークは営業面でも各種帳票にも使用できる(マークは一年間有効)
定期的に行う「洗い試験」及び検査官によって一年に一度行われる
「工場監査」に合格すれば、更に一年有効なマークが継続して交付
品質マーク保有工場は、品質規格の自主検査と工場検査点検表への必要事項への記入が義務

7.RALマーク取得までの主要プロセス(ホテルリネン、食品工業ユニフォーム)

RALマーク取得までのプロセス

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